2016年を表題曲で振り返る

 今日は2016年12月31日、2016年最後の日です。私個人的には昨年より乃木坂46のファンになりましたが、この1年で乃木坂46に対する環境が加速していった年で、一喜一憂全てを含め非常に楽しませてもらいました。

 

 さて本題ですが、今年発売された4枚、「ハルジオンが咲く頃」「それぞれの椅子」「裸足でsummer」「サヨナラの意味」それぞれ表題およびリード曲を振り返ることで、2016年を振り返っていければなと思います。

 

 とは言いつつも、本当はそれぞれ発売毎にやりたかったところを出来ていなかったため、それぞれ簡単でも吐き出して今年を納めたいなというところの本心であります。ご興味ある方だけお付き合いください。

 

「ハルジオンが咲く頃」

 1曲目は「ハルジオンが咲く頃」。結果的に「1枚目の卒業センター曲」となってしまいました。センターは深川麻衣

 

 最年長とはいえ、卒業センターなるものの1人目が深川になるとは思っていなかった方は多いかと思います。そんな私達を元気付けるようなアップテンポな曲、また彼女に寄り添った歌詞が印象的な楽曲になりました。

 

 この曲の歌詞にはネガティブなワードがほぼ使われていません(過去記事に記述)。それ程にポジティブな楽曲。人が曲を評価するときは様々な因子の積み上げだと思ってますが、エコパの卒コンを境として前・当日・後で、それぞれ別の想いが乗って別の曲として存在するんだろう、それほどのパワーを持った曲だと思います。

 

 以前の記事で、私はこの楽曲に対してこのような事を述べました。

 この曲が目を見張る最も素晴らしいところはやはりここです。

やっと言える 大好きだよ

 この楽曲が、暗に”深川麻衣”に沿って作られていることはファンならわかります。すなわち、運営など上部の人たちの想いが乗ってます。ただ、ここの歌詞だけはそれだけでない。上部の人たちが想いを投げ、その想いをパフォーマンスする彼女たちが、ファンではなく”彼女”に対し乗せる。それも超どストレートに。そんな想いの連鎖が秘められ、彼女たちに与えることを許す、素晴らしい歌詞です。それほどまでに暖かい曲ありますか?

  この内容に関しては、時間がたった今でも間違っていないと思っています。

 

「それぞれの椅子」

 2曲目は2ndアルバム「それぞれの椅子」のリード曲「きっかけ」。14th選抜楽曲ですが、深川が抜け、センターは布陣通りの西野・白石のWセンターです。

 

 「それぞれの椅子」のパッケージ・衣装などプロモーションイメージは『青と赤』でした。混ぜ合わせると『紫』になるだとか、『透明な色』(何にも染まっていない)から『青と赤』に染まった、など色んな捉え方がありましたね。アルバムタイトルの「それぞれの椅子」からもそのようなメッセージが詰まっていると思われます。

 ただこの『赤と青』には更なる意味合いも含んでいるんですよね。それが歌詞中にも「信号」という単語です。

 背中を押す”きっかけ”なる促進力と一歩を踏み出せない停滞感、これを「青と赤で”進め”と”止まれ”を明確に示すモノである信号機」によって詞に表しています。これが還元された『青と赤』だとすると、「進むことと止まること、その象徴」といった意味が含まれていると私は考えています。偉そうに述べてますが、歌詞を見れば一目瞭然だよって方もいらっしゃいそうですね(笑)

 

  個人的なことを申しますと、私は乃木坂以外も音楽は聴きますが、1年で最も聴いた曲だと思います。私どうも啓発的なメッセージの強い曲が好きな様です。この曲の私の好きな詞はここです。

「流されてしまうこと抵抗しながら 生きるとは選択肢 たったひとつを選ぶこと」

「決心のきっかけは時間切れじゃなくて 考えたその上で未来を信じること」

 どちらも、自分の意志で選択を下すことの意義をうたっていると思っています。自分の意思が乗ってない選択って必ず後に後悔します。反省はしても後悔はしない様に。これが私の座右の銘です。

 

【追記】皆さん、この曲を初めて聴いた時どう感じましたか? 私は、 ”乃木坂らしい素晴らしい曲” 、だと感じました。乃木坂のファンであれば、多くの方がそう感じただろうと言い切れます。2016年の紅白披露曲として熱望された方も少なくないはず。

 後にも書いてありますが、この楽曲の作曲は杉山勝彦さん。”乃木坂らしさ” の最たる楽曲となり、紅白初出場披露曲ともなった「君の名は希望」を作曲された、秋元康先生も一目を置いている作曲家です。初聴でそう感じる楽曲ってただ事では無いと思います。杉山さんと結んだことも踏まえ、この楽曲が勝負曲であることは間違いありません。

 では何故、アルバムのリード曲に本気の勝負をかけたのか。「アルバムのリード曲」である以上、それ相応は理解できます。では、シングル3枚のビジョンが、ある程度はじめから2016年の結果を想定されていたとしたら。この2ndアルバムの1枚でしか本当の意味での勝負をかけられそうになかったとしたら。紅白選曲基準になり難いとしても、この楽曲に出会えたことが本当に有難く思えます。 

 

「裸足でsummer」

 3曲目は「裸足でsummer」。センターは齋藤飛鳥。輝かしい初センターになりました。

 

 この楽曲の価値は「齋藤飛鳥の存在」によって高まったことは乃木坂ファンの中では間違いないことだと思います。

 この曲のワンフレーズ目、

「いつもの夏と違うんだ 誰も気付いていないけど

 日差しの強さだとか 花の色の鮮やかさとか…」

ストレートに夏という単語だけでなく、日差し・花という色味の強い単語、冒頭から陽のイメージを全面に出しています。

 反面、センターの飛鳥のイメージは陰陽で言えば陰でしょう。飛鳥の良さは「飾らない姿」。若くしてクレバーなので言葉や振る舞いは選択されてのものでしょうが、それでも飾らない姿の中に子供のような明るさがあるから支持されている様に思います。一番先頭に立ったこの夏の期間、飛鳥の「ベースの陰・垣間見える陽」が楽曲の陽の面に対するギャップをどのくらい埋めたと受け取ったかが、この楽曲の価値になったと思うのです。

 

 この曲の価値は、なんだかんだ言われていた「HEY!」で完成されたようにも思います。ライブの感情が楽曲の価値に結びつくという点で、一体感のあるコールは最たるものになりますよね。公式コールが無かった場合を考えたら、やっぱりあったことで完成したなと思います。

 

 この曲の私の好きな詞はここです。

「自分の気持ちは隠したまま そう君といると素直になれる」

 2サビのこの詞の部分だけ、本当に勝手にですけど「あ、飛鳥だな」って思うんですよね。

 

「サヨナラの意味」

 4曲目は「サヨナラの意味」。センターは橋本奈々未、後に卒業を発表しました。2016年、2度目の紅白歌合戦披露曲になりました。

   

 正直、この曲に関しては言葉にしたいことが沢山あり過ぎます。ですが、今回は ”曲” に関することだけ…。

 

 この曲は「さよなら」をカタカナで表記することでも示すように、『別れ』にだけスポットを当てるように、そう作られているように思います。つまり、他の要素を隠して作られているわけです。この詞中に色味のある単語はほぼ出てきません。ほぼモノクロ色調の単語・文体で作られています。それほど平面的に作られているように感じます。
(唯一出現するのが、大サビ前の「見つめ合った瞳が 星空になる」の部分の「瞳・星空」だけ。この部分に関しては、詞としての盛り上がりのための使われかと考えています。)

 

 そんな中で、隠れているもう1つの重要なテーマは『出会い』。詞中にも単語としてちゃんと出てきてはいます。これに気付かれてない人は本当に気付いて欲しい。曲の印象は大きく変わると思います。出会うから別れがある。だから別れに強くなくちゃ出会いに好意的になれないよ。そんなメッセージが込められています。
(イントロが長くアウトロが短いところも、『出会いと別れ』のロジックなのかな~と思ったりもします。)

「もう一度君を抱きしめて」「僕たちは抱き合ってた 腕を離してもっと強くなる」

 抱きしめ合えることが ”出会えたこと” の象徴、腕を離すことが ”別れること” ですね。

 「もう一度君を抱きしめて」の後には、この楽曲の中で唯一格調の違う言葉が続きます。それが『愛』。

「守りたかった 愛に変わるもの」 

  初めて聴いた時は、何故この流れで『愛』という重みのある単語が出てくるんだろう。「愛に変わるもの」とはなんだろう、とずっと考えていた気がします。

 愛情は注ぐ相手が必ず必要となりますよね(ハルジオンのときも同じ論議がありました)。誰かとの『出会い』があって初めて『愛』が始まるわけです。そこで「愛に ”変わるもの” 」と続きます。つまり、『愛』よりもまず『出会えたこと』を守りたい、大事にして欲しい、「愛にも変えられるもの」は『出会い』なんだよ、と。『愛』という格調高い重いテーマと比較することで『出会い』を強調しているのです。それ程のテーマを裏に隠し持っているわけです。

 

 大サビでは、上記の2フレーズの間に次の詞が挿れられています。私はこの詞が本当に本当に大好きです。

「本当の気持ち問いかけた 失いたくない」

 ここまでの歌詞の展開は、「受け入れつつも、前に、前に進もう」となっているように感じます。もう一度君を抱きしめて、出会えたことを身に感じながら、最後の最後に溜めていた言葉を真っ直ぐ、ただ真っ直ぐに放つ、その情景を想像したらグッと気持ちが高まらずにはいられないです。別れたくない、出会えたことを終わりにしたくな、誰しもが心の奥底では絶対に思っていることなのだけれど、言うに言えないまま前に進むための言葉に被せて隠している、そんな言葉なのです。そんなの、、、最後の最後に伝えられても、、、。

 この手段はハルジオンが咲く頃のものと同様だと思っています。”彼女たち” が ”彼女” に伝えられることが、この上なく素晴らしく暖かい。(だからこそテレビ尺でカットされるのは本当に残念でした…。)

 

最後に

 今年のカップリングの中では「急斜面」「光合成希望」「行くあてのない僕たち」「君に贈る花がない」が好きですかね。特に光合成希望について、下のツイートは個人的に面白いかなと思えたものです。

 

 それでも今年は、「きっかけ」「サヨナラの意味」が個人的上位2曲が確固たるものになりました。全楽曲含めてもそうなるかもしれません。この2つの楽曲、作曲は杉山勝彦さん。Twitterでも何度か呟いていますが、私の思う、この方が作られる曲の良さは『飽きない』ことだと思っています。この方の作曲楽曲ですと「私のために 誰かのために」も大好きです。全然飽きません。

 

 最後に、乃木坂46には楽曲も含め非常に元気づけられた1年でした。来年も、乃木坂46およびそれぞれのメンバーが、悲しいこと辛いことも楽しさ喜びに変えることができて、それぞれの行路を真っ直ぐ進んでいけることを願っています。そこに力添えなどとは言いません、加わらせて貰えたらなと思っています。

 

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