「頑張れ」の意味

「頑張れ」って言葉、僕は人生であまり使ってきませんでした。人のサポートをしたり人の背中を押したりってことは、職にもしてきたし性格的にもよくやってきたんですが、この言葉はあまり使ってませんでした。いや、使ってはいたんです。でも、この言葉を、ほんとに大事なときに使う言葉にしたかったから、使わなかったってのが正しいかもしれません。

 

「頑張れ」ってどういう意味を持った言葉なんでしょうね。って言われたらイマイチピンとこないなーと思いませんか?正直僕はそう感じてました。頑張れの意味を持ってる色んな言葉の中で、一番なんでもなく使ってるのが頑張れかなって。当たり前なこと言ってますが、そのくらい意味を持ってるようで感じてない言葉なのかって感触です。

 

井上小百合ちゃんがモバメでこんなことを言ってました。モバメなんであえて原文からちょっと崩して書きますが、

「がんばろ」っていう言葉にするんじゃなくて、みんなが自然に「がんばれるよう」にできる人でありたい。

と。僕の推しもこの言葉を言葉にするタイプじゃないみたいです。これすごく分かるんですよね。この言葉を使わずに、頑張れを作れる手段ってたくさんあるんですよ。だから、誰かを支えるときに、どちらかを選べるんだとしたら、僕は「がんばれるよう」の方を選んでました。さゆが「がんばろ」に対して僕と同じように感じてるのか、だから「がんばれるよう」を選んでるのか、全く分かることはないんですが、気持ちは同じなのかもなって、共感したんです。

 

で、実はこれって「言う人側」の側面でしかないんです。じゃあ「言われる側」の側面での「頑張れ」ってどういう意味を持ってるんでしょう。

 

僕の中の感覚では、言う側と同じです。ボヤッと意味があるようで入ってないような、そんな感触です。なんですが、僕は言われるのは好きです。あまり性格が良いとは言えませんね。しんだ方が良いかもしれません。こんなときに頑張れと言ってもらえると心が救われますね。なーに言ってんだこいつ。さて、なんで僕が言われるのは好きなのかの前に、井上小百合ちゃんの話をします。

 

さゆはこんなことを言ったことがあります。

頑張れって言葉は心をえぐられるな。

言われるのが嫌だってことです。正直さゆがこう言うのは、不特定の大多数に言われるから、かなと思います。これが僕と明らかに違うとこです。僕がその立場だったら、少し言葉が悪いですが、無責任に次から次へと発砲してくる、くらいに思うかもしれません。もしさゆが僕と同じこの感覚だったら、頑張れの意味の捉え方も同じだと思います。

 

僕はこれを聞いたとき、あんまり深く考えず、そうなんだぁくらいに感じました。僕は言うのが好きじゃなくて、さゆは言われるのが好きじゃないなら、都合が良くて、その分色んなことでしてあげたいと思ったし、もしかしたら似てんのかなってちょっと思ったくらいです。

 

では、僕が言われるのは好きなのは。さゆとは違い僕が言われるときは、特定の誰かから、だからです。こんなことを考えるようになったのも、最近色々重なって特定の誰かからよく言ってもらえるようになりました。3期ちゃんのモバメもよく「がんばれー」とか「がんばろう」って書いてあります。そんなときに冒頭のさゆのモバメが来たんですよね。

 

この「頑張れ」って言葉、やっぱり意味は無いんです。でも、その分の気持ちを入れられる。多分、気持ちの入れものみたいな言葉なんだと思います。だから不特定の多数に言われるのは重たすぎるんです。だったら、今なら、僕の頑張れって言葉をさゆはキャッチしてくれるかもしれない。そうなんじゃないかなって思います。

 

僕はこの言葉、もともと大事なときには使ってたんです。多分これって、無意識にこの言葉が気持ちそのものだって、分かってたんだけど別の理由をつけてたんだなって気がします。だから、これからはすんなり使いたいなって、さゆにも届けたいなって思ってます。だから、さゆのモバメにある「がんばろ」と「がんばれるよう」って、どっちかにするんじゃなくて、どっちもやればいいじゃんって。どっちもやって、どっちもやれる人になるのが、一番良いなって思ってます。

さゆは不器用だから、どっちかって言うんですよねぇ。ほんとはどっちもちゃんとやってるのに。

 

最後に、「頑張ろう」という言葉、この言葉はもとから好きでした。とても良い言葉だと思います。「頑張る」って言葉、ちゃんとした意味としては『あることをなしとげようと、困難に耐えて努力する』らしいです。「頑張ろう」は自分に向けるものと誰かに向けるものがあります。自分に向けるものは「鼓舞」で、相手に向けるものは「共に」です。この「共に」。人って生きてれば、ほとんど何らか努力をしてるはずなんですよね。その前提があるから、お互いは必ずどこかで頑張ってる。だから、「共に頑張ろう」という言葉は響く、良い言葉だと思います。