メッセージ

  日向坂46のドキュメンタリー映画第2弾「希望と絶望」、観てきました。このブログは感想吐き出し箱なのでこのブログは感想吐き出し箱になります(小泉孝太郎構文)。ネタバレが無理な方は各々配慮ください。

 

 

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  普段は割と構成も考えたりしちゃったりして文章書くんですけど、今回はなんにも考えずに書きます。今回のこの映画、多分ファン以外の人が見たら全然面白くないです。コロナの時系列で出来事を流してるので、晩飯中に脇目で見るくらいのやつです。だから失敗作、じゃなくて、元々今のファン向けとしてしか作ってない気がします。

 

  なにより、コロナ禍でのグループとしての模索以外に話の軸があんまりなくて、そもそもタイトルにもそれがない。『希望』と『絶望』という二語を合わせるのはわかるんですが、なんで『希望』が先で『絶望』が後なんだろう、、、とかね。1作目は結構大衆向けに番組的に作られてましたけど、今回は番組的に作られているけどその先は ”わかってるあなたたち” に委ねられてる感じがしました。

 

  ただここに巧妙な術があったなと思ってて、いつものこの監督の手腕だろうなと思いました。

 

  キャプテンが作中に「この2年間を、自分たちとしては ”ストーリー” にしたくない」と言っていました。僕たちはそのストーリーを見せて欲しいけど、メンバーはそれを見せたくないのはすっごいわかりますよね。ただ、見せたくないことをメンバーは実際カメラの前で言っていて、その言ってることすら僕たちに見せてくれてます。これだけ見たらヤバくないですか?(笑) 普通に考えたら大人って信じられなさすぎ……ってなりますよね(笑)

 

  そのアンサーなんですが、これは一つの僕なりの見方です、あってるかはわかりません。この竹中監督、僕らへのエンターテイメントではなく、然るべき人たちへのこの子たちからの ”メッセージ” としてこのフィルムを作られてる気がします。しますというか、僕はそう思いました。ストーリーは目的ではなくただの手段で、このフィルムを手段にすることで、本当の目的であるメッセージを作っている、そういう作りだったと思うとほんとに巧妙。もしかしたら僕が肯定したいがための拡大解釈かもしれないですけど、ずっと携わってくれてる監督だとしたら十分あると思うんですよね。

 

  だとしたら、この作中でキャプテンの佐々木久美が一番の伝え手になるのは必然です。齊藤京子は言葉のバリエーションが少ない分、言葉にされたことがとても本心ということが伝わる。佐々木美玲は伝えることの切り口が一つ違ったりするのですごく背景が拡がる。そんな中で、キャプテンと同じくらい伝え手であったのが渡邉美穂でした。

 

  もちろん卒業補正で使われていたことは多分にあるとは思います。ただ僕はずーーーっと言ってますけど、美穂は発言そのものが芯をすごく食っていて、言葉が立ってる、だからこういう作品で聞きたくなるし使いたくなります。実際今回もそうだったので僕は大好きなんですけど、だからといってキャプテンと同じほど使う?ってとこはあります。

 

  ただこれも監督の巧妙な術だったと思うんですよね。「最後だから」という暗黙の名目を使うことで美穂の言葉を ”メッセージ” に使いたかったんじゃないかなと思います。しかも、キャプテンは、彼女たちを代表してのメッセージだけど、美穂は、彼女から彼女たちへ、ってニュアンスもちょっと含まれてたんじゃないかなって気もします。

 

  キャプテンと美穂はほとんど同じベクトルでグループについて語ってたので、不意に美穂の方がもしやキャプテン!?って感じた時間もありましたが(笑)、この2人だけはほんとに視座がまったく一緒だったろうなって思いました。それを気遣いだの仲間想いだの言い換えることは簡単なんですけど、1期・2期それぞれに同じ存在がいたから保ってきてたところはめっちゃあるんだろうなって思います。いるときはわかってるつもりでも、いなくなったときに本当にわかることはありますよね。それをそう思わせるのも、それもメッセージなんだろうなとか、ね。この作品のタイトルも、もしかしたら僕たちへの ”題” じゃないのかもしれないですね。

 

  バタフライエフェクトってあると思うんですけど、これって人間関係でもあると思うんですよね。美穂は、その初めに効果を起こす人、になるために色んなことをやっていて、この卒業で他の特に2期生は彼女に想いを馳せて振り返ってる時間があるだろうから、「少しでも代わりになりたい」と思っているんだろうなと思います。もちろんセンスとして出来る人と出来ない人がいるんですけど、あの子とかあの子とかはそう思ってるんだろうなと。

 

  いなくなると困る人がいなくなって、あとをそのままにしていたら、本当にそれは絶望しか待ってないものになります。誰かが穴埋めして続けていく、続けていくことも進化であって、それは希望かもしれない。日向坂46は絶対ここがターニングポイントだと思いますけど、この作品を観てるくらいのファンなら、この一歩先を楽しみにしたいですよね。

 

 

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  かとしとこさかなの話は作品的にはクッション的だったと思いますけど、切り取り方がちょうど良かったと思います。その辺はさすがですね。

  あと、けやフェスのday3後のスタッフのものの伝え方は本当にどうかなと思いました。相手の特性を考えられなくてよくああいう発言できる立場やってんなと思うと、この世界も時代は変わってないんだなって痛感しますね。その直後でもあったので今野さんの伝え方にはすごく頷きました。「元々あったものが失われてる」、すごく本人達のタメにもなるし想いもある伝え方ですよね。

  最後になりますが、渡邉美穂、好きだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。